後遺障害

脊髄損傷被害者とそのご家族の方へ

第3 常時介護の具体的内容

以上の結果、療養者が自力で行える日常生活動作(ADL)は皆無で、 着替え、食事、歯磨き、洗顔、洗髪・整髪、爪切り、入浴、全身の清拭、陰部の洗浄、導尿、摘便、オムツの交換、体温の維持管理、人工呼吸器の着脱・管理、 ベッド上での移動、ベッドから車椅子への移動、車椅子での移動等、日常生活のあらゆる面で介護が必要となってきます。
夜間就寝中も、2?3時間おきの体位交換だけでなく、

 

  1. 障害者の求めに応じて水を飲ませたり、
  2. 頭や顔が痒いとの訴えに応じてその部位をかいてあげたり、
  3. 「暑い」「寒い」という訴えに応じて体温を測り、着衣の調節や氷を当てることによって体温調節を行ったり、
  4. 痙性麻痺によって体位が動いたり布団がずれたりするのを直したり、
  5. 痰を拭き取ったり、
  6. 便が出ていれば処理したりする

 

ため、頻繁に起こされ、ほとんど寝てられません。
しかも、頚髄損傷の併発症として、突発的に腕、脚、腰、股関節が予想できない方向に跳ね上がったり、激しく震えながら突っ張ったりする痙性麻痺が、毎日何十回も発生することがあります。
そのため、上記の介護動作中にベッドから転落したり、自身や介護者の身体を傷つけたりする危険性があることから、常に複数の介護者が障害者の身体を安定させ、安全を確保しながら慎重に介護がされます。
また、人工呼吸器を装着している際に痙性麻痺が起こると、身体が動いたり腕などが当たったりして、呼吸器を外してしまう危険性もあることから、夜間就寝時であっても常時見守りを強いられます。

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