弁護士への相談と依頼のタイミング
相談するタイミングは事故直後がベストです。
交通事故被害に精通している弁護士に相談するならば、相談の時期は事故直後など早ければ早いほどよく、依頼のタイミングは、医師が後遺障害診断書を作成する前がベストです。
多くの方が、後遺障害の認定が出て加害者側から賠償額の呈示があってから、初めて弁護士に相談されています。
しかしそれでは遅すぎます。時期に遅れた相談と依頼は、証拠がなく後の祭りとなってしまい、悔しい想いをされている被害者の方が少なくありません。
弁護士に相談するのが遅すぎた事例
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case1警察任せにしていた結果
事故現場の押さえ方が不十分で、過失割合などで加害者に対抗できる主張ができなかった。
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case2医師任せにしていた結果
必要な訴えが記録されたカルテや医療検査がされていないことから、その後遺障害が交通事故に因って発症したことが証明できなかった。
後遺障害の認定が出てから初めて弁護士に相談したのでは、
このようなケースで泣き寝入りを強いられる結果になることが少なくありません。
交通事故被害に精通している弁護士であれば、ずさんな交通事故捜査の実態や手抜きと欺瞞に満ちあふれた今日の臨床の実態について、これまでの体験例を踏まえた詳細な説明を受け、事故現場の押さえ方、警察の事情聴取での注意事項、治療期間中の注意事項や主治医との付き合い方、必要な検査事項につき的確なアドバイスを受けることが期待でき、場合によっては専門医の紹介を受けることもできます。このようにして、できる限りの万全の態勢にしておくことにより、適正な後遺障害の認定を受ける確率がぐんと上がることが期待できます。
相談だけなら通常、30分で5,000円です。将来大きな賠償金を失うことで大きな悔いを残す結果になることを思えば、それほど高い金額ではありません。
弁護士に依頼するタイミング
依頼するタイミングは、自賠責保険の後遺障害等級認定後ではなく、下記の理由などから医師が後遺障害診断書を作成する前がベストです。
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医師は多忙であるうえ、丁寧な後遺障害診断書の作成は費用対効果に乏しい(各種の検査をまめに行って丁寧な後遺障害診断書を作成するには通常、1時間以上要しますが、5,000円程度の診療報酬しか請求できない)という事情があること。
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医師は、通常、治すことに興味はあっても、治せなかった後遺障害には関心がないこと。
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被害者の賠償請求は、医師の職務とは無関係であること。
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徒手による神経学的検査の手技が未熟であって、自信がもてない医師が少なくないこと。
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まともな後遺障害診断書の書き方知らない医師が少なくないこと(実際、医師向けに後遺障害診断書作成の手引き書が市販されています)。
これらの理由から、必要かつ十分な後遺障害診断書を作成してくれる医師は極端少数派です。
自賠責保険は、その必要な事項が十分に記載されていない乏しい情報に基づき「記載のないものは症状も他覚所見もない」ものとして後遺障害の等級認定をせざるを得ないシステムになっていますから、その後遺障害の認定も交通事故被害者からすれば不十分なものとならざるを得ません。
そこで、後遺障害診断書作成前に交通外傷に精通している弁護士に依頼しておけば、主治医が手抜きの後遺障害診断書を作成してしまうことを回避し、自賠責保険からも不十分な後遺障害の等級認定を受ける危険も避けることができるようになります。